大切なお客様が逝かれました。
1月にお会いしたばかり、次はお花見団子を持って伺おうと思っていたのに。
突然のお別れでした。
ご葬儀は近親者の皆様でしめやかにされるとのこと
私は9年ほどのお付き合いを振り返りながら、心の中でお別れをさせていただきました。
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母と同い年のお客様とは、ほぼ毎月お会いして、
ご資産や終活のお手伝いをさせていただきましたが、
人生の大先輩に、私が教わることの方が多かったかもしれません。
お会いすると、
自分の足で歩き、頭も言葉も、はっきりしていて、
ご自分の意思をきちんと伝えてくれました。
自分が、その年齢になったときにできるのかな。
初めてお会いしたときは80歳くらい。
パソコンを使って株のチャートをチェックし、
貯金には、ほとんど手をつけず、年金と株の配当金で暮らしてみえたこと。
女性専用の30分ジムに通って、骨密度が改善してドクターに驚かれたと楽しそうに話されたこと。
栄養士として働かれた経験から、健康に詳しかったこと。
私が、老後のお金と健康を考える時の、大事なヒントをもらっていたのだと、今更ながら気づきます。
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1年前の春、終活を完成しておきたいと言われ
なかなか進まなかった終活を、娘さんと一緒に進めることができました。
・相続のこと
・遺言書のこと
・延命治療の意思表示のこと
・納骨堂の契約のこと
延命治療の意思表示について、家族で話し合っていたので、迷うことなく決断できました。
そう伺って、体中の力が抜けるようでした。
終活のご相談は、役に立ったという実感が得られにくいのです。
命や家族の問題に、他人が関わる難しさもあります。
ご自分の意思をしっかり持ってみえたお客様だからこそ、
望まれた最期が叶ったことに心から安堵したのです。
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もうひとつ、お客様から学ぶことがありました。
生きるということ。
コロナ感染拡大で、入居していた施設から出かけられず、面会の制限もあり
不自由な暮らしが続いてみえました。
最近は、お会いするたびに、
「いつまで命が続くのか?早くお迎えが来て欲しい。夜に願って眠ると、朝起きた時にまだ生きていてガッカリする。」
そう言われるので、慰めようもなく、何も言葉を返すことができずにいました。
冗談や愚痴ではなく、覚悟を決めた本心だとわかったからです。
人は、年を取ると、一つずつ役割を終えていきます。
社会での役割、家族への役割・・・
でも、元気なうちは、未来の自分のために今日を生きる役割があり、
誰かの役に立つことも、きっとあります。
私も、お客様から健康知識をたくさんもらいました。
でも、体や言葉が不自由になり、その日その日を生きるのが精一杯、
誰かの助けを借りなければ生きられない時がきたら、
何のために生きるのでしょう。
なんとなくだけど、
そこから、本当の修行が始まるのかな?
ただ生きること。
生きて寿命を全うすること自体が、生きる意味なのでは?と思うのです。
戦争、大災害、病気など、たくさんの困難を乗り越え、天寿を迎えられたお客様を
心から誇りに思います。
ほんとうにお疲れさまでした。
長い間のお付き合い、ありがとうございました。
49日を過ぎたら、極楽の蓮の花の上で、いつもの笑顔でほほ笑んでいらっしゃることでしょう。
ご冥福をお祈りします。
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