九州ぐるっと旅 見たことのない風景を見に 宮崎

旅の空

11/8 鹿児島から宮崎へ
神話の国、古事記日本書紀の世界、宮崎へやってきました。
その前に、宮崎といえば私の世代は「昔の新婚旅行先」のイメージ、常夏の国、日本のハワイ。
お土産はマンゴーではなく、ザボン!!

サンメッセ日南 モアイ像
というわけで、日南海岸に寄りました。予想にたがわず、夕日が眩しい海岸線には椰子の並木。
そして、サンメッセ日南のモアイ像を見てきました。
テーマパークの、よくあるパッチもんかと思っていたら、驚きの由来がありました。
日本のモアイ修復チームが、1992年から3年かけて倒れていた15体のモアイを立ち上げた奉仕と友情に対し、イースター島の長老会と島民が日本で復元することを認めたそうです。世界で唯一、1回だけの認可で、両国の考古学者の監修のもと、日南海岸に復刻したそうです。

九州は仏閣よりも神社が多い。
ちなみに、神社が一般の神社の社号であるのに対して、神宮はは天皇や皇族をお祀りしている神社や由緒により古くから呼称として用いられている神社に使われます。神宮は、古事記では奈良の石上神宮と伊勢神宮の2つのみでした。現在、全国にある神宮は24社。そのうち、皇室の祖神を祀るのが6社、歴代天皇を祀っているのが12社、皇室に関係の深い祭神を祀るのが6社あるそうです。
皇室の祖神を祀る6つの神宮のうち、伊勢神宮と兵庫にある伊弉諾(いざなぎ)神宮以外の4か所は九州にあります。
特に「神話のふるさと」といわれる宮崎は、古事記・日本書紀に記された数多くの神話や伝説が今もなお語り継がれている地。宮崎県内各地に神話の舞台となるゆかりの地があり、神様が人々の生活の中に息づいています。

日向神話を訪ねて
宮崎を舞台とする、天孫降臨から海幸・山幸、そして神武天皇の大和平定までを日向神話といいます。登場する神々の系図はこんな感じ。

日向神話の流れは、天岩戸神社でいただいた資料がわかりやすい。

最初は、山・洞窟・島などの神様を祭り、その神様を守る役目として人間の神様を添えて祭った。
空の上におみえになるのは、神様ではなくて、ご先祖様ということ。
日本の信仰の原点は自然崇拝だったんですね。何となく知っていたけど納得ですね。

天孫降臨神話 二上山 ニニギノミコトが降臨されたと言われる山で、山そのものがご神体。二上神社のご祭神はイザナギノミコトとイザナミノミコトであり、皇室発祥の地。上の説明だと、ご神体は神様で、ご祭神は神様を守る人間の神様ってこといなるのかな?

天孫降臨神話 霧島連山の高千穂峰 ニニギノミコトが降臨されたと言われる「筑紫の日向の高千穂のくじふる嶽」頂上には、神が官を営んだしるしとされる「天の逆鉾」が立っています。
今回は、2か所とも気づかずスルーしてしまいました(残念!) 

 国生みの神イザナギとイザナミにより多くの神々が誕生したが、イザナギの左目から生まれ、天上世界(高天原)を治める太陽を司る女神がアマテラスオオミカミで、皇室の祖神です。
アマテラスの弟のスサノオノミコトは海原を統治を任されたが、治めようとせず泣き叫び続けたため、地上世界を追放される。追放されたスサノオは高天原に向かい乱暴をしたため、アマテラスは天岩屋戸にお隠れになり、世界は闇におおわれた。

天岩戸隠れ神話 天岩戸神社西本宮 ご神体はアマテラスがお隠れになった天岩屋戸で、主祭神はアマテラスオオミカミ。一般的な神社に必須の「本殿」がなく、天岩戸を直接拝むための「天岩戸遥拝所(あまのいわとようはいじょ)」が拝殿の裏に設置され、離れたところから天岩戸を拝めるようになっています。深い谷をまたぐ対岸の中腹にある洞窟(天岩戸)は縦横奥行きともに9mあるそうです。
神域のため足を踏み入れることはできず、遥拝所に行くときは必ず神職が同行し、もちろん写真撮影も厳禁です。居住まいを正して自然と拝みたくなる神聖な場所でした。
ちなみに、天岩戸にはしめ縄が張られていたのですが、古事記などで、しめ縄発祥の地と言われながら、断崖絶壁であるため創建以来しめ縄がなかったそうです。2020年にプロ登山家の協力で初しめ縄が張られ、毎年年末に張替えをしているそうです。

アマテラスがお隠れになった時、八百万(やおよろず)の神々が集まって相談した天安河原。

乱暴者のスサノオですが、その後、出雲に行き、ヤマタノオロチを退治し、生贄だったクシナダヒメと結婚して、仲睦まじく幸せに暮らします。さらに、6代子孫の大国主命(オオクニノヌシノミコト)を鍛え上げ、国を護る手助けをしたと言われています。

海幸彦・山幸彦と豊玉姫命神話 鵜戸神宮
日南海岸、日向灘に面した断崖の中腹の岩窟内に本殿が鎮座しています。

由緒は神話の世界で面白いです。引用します。
山幸彦(彦火火出見尊)が、兄(海幸彦)の釣り針を探しに海宮(龍宮)に赴かれ、海神のむすめ豊玉姫命と深い契りを結ばれた。山幸彦が海宮から帰られた後、身重になられていた豊玉姫命は「天孫の御子を海原で生むことは出来ない」とこの鵜戸の地に参られた。霊窟に急いで産殿を造られていたが、鵜の羽で屋根を葺終わらないうちに御子(御祭神)はご誕生になった。故に、御名を「ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと」と申し上げる。

鵜戸神宮の岩盤には、不思議な球体がたくさんついています。一帯の地層は800万年前の海底に砂や泥が堆積した地層ですが、当時、地震などで大量の砂が海底に沈んだ時に、クラゲやナマコなどの生物が取り込まれたものが、絶妙の条件で周囲の砂岩を固めて作ったものだそうです。

800万年前!!神話の世界よりもずーーーっと昔の名残りを見ていると思うと感無量。

海幸彦・山幸彦と豊玉姫命神話 青島神社
宮崎のほぼ中央、海に浮かぶ周囲1.5kmの青島全体が境内の神社です。

青島に渡る橋の両側は、「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇岩が広がります。

由緒は、鵜戸神宮と同じく日向神話に基づくもので面白いので、長いけれど引用します。

山幸彦は兄の海幸彦から借りた釣り針をなくしてしまい、海辺で困っているところに塩筒大神が現れ、わけを聞くと船を造り海の中に探しに行くように言われます。
山幸彦は海の中に行かれ、海神の侍女が井戸に水を汲みに来て山幸彦に気付き、海神の娘、豊玉姫に知らせ、山幸彦は海神の宮でおもてなしを受けます。
あっという間に三年が経ち、ある日、山幸彦は海神に海の中に来たわけを話します。
話を聞いた海神は魚たちを集めて鯛の喉から釣り針を見つけられ、その釣り針を持って陸にお帰りになる山幸彦は海神から「塩満瓊(しおみつたま)と塩涸瓊(しおひるたま)」の二つの瓊をいただきます。
山幸彦は海神から言われた通り意地悪をしてきた兄の海幸彦を塩満瓊を取り出して溺らせ、あやまってきたら塩涸瓊を取り出して許してあげました。そして兄弟仲良く暮らしました。

つまり、青島神社は山幸彦が海積宮から還って住まわれた場所。鵜戸神宮は山幸彦と契りを結んだ海神のむすめ豊玉姫命が陸に上がり、御子を出産された場所なのです。

高千穂峡
子供の頃からの憧れの高千穂峡に行くことができました。上から見ても、ボートに乗って下から見ても壮観で美しかったです。

2023年1月のブラタモリがタイミングよく高千穂でした。岸壁の柱状節理は、約12万年前と9万年前の阿蘇の火砕流がつくったものだと知りました。縦線の柱状節理と横線の柱状節理が組み合わされてる理由もわかって面白かった。
そして、真名井の滝!この滝があることで絶景度が増すのですが、柱状節理からの湧き水だそうです。

国見ケ丘 
神武天皇の孫・建磐龍命(たていわたつのみこと)が阿蘇に向かう途中に立ち寄って、国見をされたという伝説の丘。「雲海」の名所として有名ですが見られるのは年1回らしいです。でも秋から初冬の冷え込んだ早朝に可能性が高いそうで、がんばって行ってみました。残念ながら雲海は見れなかったけど、日の出は感動的でした。

高千穂神社の夜神楽
高千穂の旅館に泊まり、夜神楽を見に行きました。高千穂町に伝承されている神楽は、天照大御神が天岩戸にお隠れになった折に、岩戸の前でアマノウズメノミコトが舞ったのが始まりとされています。毎年11月の中旬から翌年の2月にかけて、各村々で氏神(うじがみ)様を神楽宿にお招きし、 夜を徹して三十三番の神楽を一晩かけて奉納する、昔からの神事だそうです。
高千穂神社で公開されている夜神楽4つを見ました。
戸取の舞 手力雄(タヂカラオ)が岩戸を取り除いて天照大神を迎え出す舞で、勇壮で力強い。

御神体の舞 イザナギ・イザナミの二神が仲良く酒を作って飲む、夫婦円満を象徴する舞です。

さて、宿泊ですが
11/8 ADDressの日南拠点。広島カープのキャンプ地で、油津商店街の中にありました。
地元の魚と地鶏、美味しかった!!
11/9 高千穂の旅館 夜神楽を見に行きました。
11/10 黒川温泉 有名な黒川温泉で宿泊。泊まった旅館では、紅葉真っ盛りの木が露天風呂全体を覆っていて贅沢な紅葉風呂でした。湯巡りは旅館ごとに趣向が異なり楽しかった。

宮崎の辛麺

ガラスープを中心としたあっさり、なのに後を引く甘めのスープ。具材は、卵・ニラ・にんにく・唐辛子・ひき肉を使っています。「麺」は通称こんにゃく麺。美味しかった。ごちそうさまでした。

11/11は、大分に寄りました。
宇佐神宮 全国に4万社ほどある八幡さまの総本宮です。ご祭神は八幡大神(応神天皇)・比売大神・神功皇后。九州の神宮巡りはここで終わりです。次は、神武天皇(カムヤマトイワレヒコノミコト)の東征を辿って、奈良に行くつもりです。

11/11宿泊 ADDress別府 別府 鉄輪温泉内にあり、拠点内に温泉があるすてきな拠点。
夕食は、勧めてくれた地鶏の居酒屋さんで、宮崎地鶏・とり天を頂きました。ごちそうさまでした。

九州ぐるっと旅、短期間でしたが、いっぱい見たことのない景色をみることができました。

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